「入れ歯を入れると歯茎が痛くて、食事が楽しめない」「新しく作ったのに当たるところがある」と悩んでいませんか。入れ歯の痛みは、慣れの問題だけでなく、入れ歯と歯茎の合い方や噛み合わせなど、はっきりした原因があることが多いものです。原因が分かれば、調整で楽になるケースも少なくありません。この記事では、入れ歯が痛くなる原因、痛いときに自分でできる対処とやってはいけないこと、歯科医院で行う調整や作り直しについて順に説明します。
入れ歯が痛くなる主な原因
入れ歯の痛みは、大きく分けて「お口の中の変化」「入れ歯そのものの問題」「使い方や生活習慣」の3つから起こります。どこに原因があるかで対処が変わるため、まずはご自身の状況に近いものを確認してください。
歯茎や顎の骨がやせて、入れ歯が合わなくなった
歯を失ったあとの歯茎や顎の骨は、時間とともに少しずつやせていきます。作った当初はぴったりだった入れ歯も、数年たつと歯茎との間にすき間ができ、噛むたびに入れ歯が動いて一部分に強い力がかかるのです。長く使っている入れ歯が「最近になって急に痛い」と感じる場合は、この変化が原因になっていることがよくあります。体重の増減や体調の変化も、歯茎の形が変わるきっかけです。
噛み合わせのずれ
上下の入れ歯の噛み合わせがずれていると、噛んだときに入れ歯が傾き、特定の場所の歯茎に負担が集中してしまいます。片側でばかり噛む癖があったり、人工の歯がすり減っていたりすると、噛み合わせは少しずつ変わります。食事のときにだけ痛む、決まった場所が赤くなるといった場合は、噛み合わせのずれが疑われるケースです。
入れ歯の縁や表面の傷・変形
入れ歯の縁が長すぎたり、内側に小さな出っ張りや傷があったりすると、そこが歯茎に当たって傷ができてしまいます。落として割れた・ひびが入った、熱湯で洗って変形した、というケースも痛みの原因として見逃せません。見た目では分からない程度の変形でも、お口の中では強く当たることがあります。
汚れや口内炎・カビによる炎症
入れ歯の裏側に汚れがたまると、細菌やカビ(カンジダ)が増えて歯茎に炎症が起き、ヒリヒリした痛みが出ることがあります。入れ歯を着けたまま寝る習慣があると、歯茎が休まらず炎症が長引きがちです。口内炎ができた場所に入れ歯が当たって痛む場合もあります。
原因は1つとは限らず、いくつかが重なっていることもあります。次は、作ったばかりの入れ歯の痛みについて説明します。
新しい入れ歯が痛いときは慣れるまで我慢すべきか
新しい入れ歯は、最初から完全に合うものではありません。お口の中は柔らかい歯茎と動く舌や頬でできているため、使い始めてから当たる場所が分かり、それを調整しながら合わせていくのが一般的な流れです。違和感や話しにくさは数日から数週間で慣れていくことが多いものの、慣れるまでの期間には個人差があります。
ただし、「違和感」と「痛み」は分けて考えてください。歯茎が赤くなる、傷ができる、噛むとズキッとするといった痛みは、慣れで解決するものではなく、当たっている部分の調整が必要なサインです。痛いのを我慢して使い続けると、傷が深くなって入れ歯を入れられない期間が延びてしまいます。新しい入れ歯で痛みが出たら、遠慮せずに調整の予約を取ってください。
朝や外したあとに着けるときだけきつい場合
部分入れ歯で「朝だけきつい」「しばらく外したあと着けると痛い」と感じる場合、寝ている間に歯茎がむくんだり、残っている歯がわずかに動いたりしていることがあります。着けて少したつと落ち着くなら様子を見られる場合もありますが、毎回きつさが続く、日中も痛むときは、バネや入れ歯の形の調整を検討します。
部分入れ歯で金具がかかる歯や歯茎が痛いとき
部分入れ歯は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定します。バネがきつすぎると、かけている歯に常に力がかかり、歯が浮いたような痛みや揺れが出ることがあります。反対にゆるいと入れ歯が動き、歯茎がこすれて痛む原因になります。
バネをかけている歯そのものに虫歯や歯周病があると、入れ歯を着けたときの力で痛みが強く出ることもあります。この場合は入れ歯の調整だけでなく、土台となる歯の治療が必要です。部分入れ歯の痛みでは、入れ歯と残っている歯の両方を確認することが欠かせません。
入れ歯が痛いときに自分でできる対処
歯科医院を受診するまでの間、痛みを悪化させないためにできることがあります。どれも応急的な対処なので、痛みが引いても原因が残っている可能性がある点は覚えておいてください。
痛いときは無理に着けず、外して歯茎を休ませる
傷や赤みがある場合は、食事以外の時間は外して歯茎を休ませます。外した入れ歯は乾燥させると変形しやすいため、水か入れ歯用の洗浄剤を入れた容器で保管してください。ただし、新しい入れ歯の調整を受ける日は、どこが当たっているかを確認するため、数時間前から着けた状態で来院していただけると調整しやすくなります。
入れ歯と口の中を清潔に保つ
入れ歯は毎食後に外し、入れ歯用ブラシで流水下で洗います。歯磨き粉には研磨剤が入っているものが多く、入れ歯の表面に細かい傷がつく原因になるため使いません。夜は外して洗浄剤につけ、歯茎も柔らかい歯ブラシやガーゼでやさしく清掃します。汚れによる炎症が原因の痛みは、清潔を保つことで和らぐことがあります。
柔らかく、小さく切った食事にする
痛みがあるうちは、硬いものや粘りのある食べ物を避け、小さく切って両側でゆっくり噛むようにします。片側だけで噛むと入れ歯が傾き、痛む場所にさらに力がかかります。
入れ歯が痛くてもやってはいけないこと
痛みをどうにかしたい一心で取った行動が、かえって入れ歯を使えなくしてしまうことがあります。次の3つは避けてください。
自分で削ったり、バネを曲げたりする
当たっている場所を自分で削ると、入れ歯と歯茎のすき間が広がり、別の場所が痛くなったり外れやすくなったりします。バネを曲げると、かけている歯に無理な力がかかったり、金属が折れたりする原因になります。一度削りすぎた部分は元に戻せないため、調整は歯科医院に任せてください。
市販の安定剤(入れ歯安定剤)を長く使い続ける
市販の安定剤は一時的に入れ歯を安定させますが、厚みのあるクッションタイプを長く使うと噛み合わせが高くなり、歯茎や顎の骨に負担がかかることがあります。安定剤が欠かせない状態は、入れ歯が合わなくなっている状態です。使い続ける前に入れ歯の状態を確認してもらいましょう。
熱湯で消毒する
入れ歯に使われている樹脂は熱に弱く、熱湯につけると変形するおそれがあります。変形した入れ歯は痛みの原因になるうえ、調整では元に戻せないこともあります。洗浄はぬるま湯か水で行ってください。
歯科医院で行う入れ歯の痛みの調整
入れ歯が痛いときは、歯科医院で痛みの場所と原因を確認し、それに合わせて調整します。作り直さなくても、次のような調整で痛みが和らぐケースは少なくありません。
当たっている部分を削って整える
歯茎の赤みや傷の位置と、入れ歯の内側を照らし合わせ、強く当たっている部分を少しずつ削って調整します。専用の材料を使って当たりを確認しながら進めるため、自分で削るよりも必要な分だけを正確に整えられます。痛みの場所がずれていく場合は、何回かに分けて調整することもあります。
噛み合わせの調整
上下の入れ歯の噛み合わせを確認し、高すぎる場所や強く当たる場所を整えます。噛み合わせのずれが原因の場合、ここを直さないと歯茎の当たりだけ調整しても痛みが繰り返しやすくなります。
入れ歯の裏側を作り直す(裏打ち)
歯茎や骨がやせて入れ歯との間にすき間ができている場合は、入れ歯の内側に材料を足して歯茎の形に合わせ直す処置(裏打ち・リライニング)を行うことがあります。今の入れ歯を活かしながら合い方を改善できる方法です。割れやバネの破損は、状態によって修理で対応できる場合もあります。
調整は1回で終わらないこともあります。痛みが残るときは、我慢して使い続けずに、もう一度調整を受けてください。
調整しても入れ歯が痛いときの作り直しと入れ歯の種類
長年使って人工の歯が大きくすり減っている、歯茎の形が大きく変わっている、何度調整しても痛みが繰り返すといった場合は、新しく作り直すことを検討します。保険の入れ歯でも、条件を満たせば作り直しが可能です。
当院では保険の入れ歯のほか、自費の入れ歯も扱っています。自費の入れ歯は、床の一部(外から見えない部分)を金属にすることで保険の入れ歯より薄く作れ、違和感を抑えやすいのが特徴です。料金表では総義歯198,000円、部分入れ歯はバネの数や歯数によって異なります。
歯茎に当たる面が柔らかいコンフォート義歯
当院で扱うコンフォート義歯は、入れ歯の歯茎に当たる面を柔らかいシリコンで作った自費の入れ歯です。噛んだときの力をシリコンが和らげるため、硬い入れ歯で痛みが出やすい方の選択肢の1つになります。費用は料金表で総義歯465,300円、部分入れ歯は失った歯の本数により140,800円〜465,300円です。
一方で、柔らかいシリコン部分は汚れが付きやすく、毎日の丁寧な清掃と定期的な点検・調整が欠かせません。シリコン部分は使ううちに劣化するため、状態に応じて修理や交換が必要になります。歯茎や骨の状態によっては適さない場合もあるため、お口の状態を確認したうえで、保険の入れ歯も含めてどれが合うかをご説明します。
よくある質問
入れ歯の調整は何回くらい必要ですか?
新しい入れ歯の場合、使いながら数回の調整を重ねて合わせていくのが一般的です。必要な回数はお口の状態や入れ歯の種類によって異なり、個人差があります。痛みが出たらその都度調整を受けてください。
痛くて入れ歯を着けていない期間があっても大丈夫ですか?
入れ歯を長く外したままにすると、残っている歯が動いたり、歯茎の形が変わったりして、入れ歯が合わなくなることがあります。痛みで着けられない状態が続くときは、早めに調整を受けて、使える状態に戻してください。
通院が難しい家族の入れ歯が痛いと言っています。どうすればよいですか?
当院では訪問診療にも対応しています。ご自宅や施設で過ごす方の入れ歯の不具合についても、まずはお電話でご相談ください。状態を伺ったうえで対応方法をご案内します。
新発田市で入れ歯の痛みにお悩みの方は田上歯科医院へ
入れ歯の痛みは、合い方や噛み合わせを調整することで和らぐことが多く、「入れ歯だから仕方ない」と我慢を続ける必要はありません。長く使っている入れ歯が合わなくなってきた方も、新しい入れ歯の当たりが気になる方も、原因を確認したうえで調整や作り直しを含めた方法をご提案します。
田上歯科医院は1994年の開院以来、新発田市で地域の皆さまの歯の健康に向き合ってきました。保険の入れ歯から歯茎に当たる面が柔らかいコンフォート義歯まで扱っており、通院が難しい方には訪問診療でも対応しています。駐車場は20台分あり、電話・WEB・LINEでご予約いただけます。入れ歯の痛みでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。