Implant
インプラント治療には大きく分けて「1回法」と「2回法」という二つの方法が存在します。どちらの方法を選んでも、インプラントの埋入は必須の手順です。1回法では、手術後に経過を観察し、その後人工歯(上部構造)を装着して治療を完了させます。
一方、2回法では、まずインプラントを埋入し、結合するまで期間を置きます。その後、粘膜を再度切開してアバットメントを取り付ける二つの手術が必要です。
通常、1回法は顎骨が十分な厚さを持つ方に適用される治療方法です。そのため、多くの方は2回法を選ぶことが多いです。一般に、インプラント治療は一度の手術で済むと思われがちですが、実際にはほとんどの場合が安全性を取り、2度の手術が必要となります。
2回法の場合、最初の手術後には3ヶ月から6ヶ月の期間を置いて、アバットメントを取り付ける手術が行われます。そのため、治療が完全に終わるまでの間、自宅でのケアや定期的なメンテナンスが非常に重要になります。
術後は、切開部分からの出血が見られることが一般的です。術直後は、歯科医院側でも止血を行いますが、時間が経過するとまた出血することがあります。その場合は、焦らずに、ガーゼなどで、適切に圧迫することで出血を抑えられます。
インプラント手術後は、特に最初の数日間、傷口周辺の組織が敏感になっています。硬い食事や噛む力が必要な食事は避け、柔らかい食品を摂取するようにしましょう。例えば、スープ、ヨーグルト、プリン、アイスクリーム、スクランブルエッグ、マッシュポテトなどが挙げられます。また、温かすぎる食事や冷たすぎる食事も避け、常温かそれに近い温度の食品を選ぶことが良いです。
アルコールやタバコは、血流に影響を与え、傷口の治癒を妨げる可能性があります。特にタバコは、歯肉の血流を悪化させ、インプラントの統合と長期的な成功に影響を及ぼす恐れがあります。術後の回復期間中は、飲酒・喫煙の習慣を避けるようにしましょう。
激しい運動や熱いお風呂に入ることは、体内の血圧や血流を増加させ、出血を促進したり、傷口の腫れを引き起こしたりする可能性があります。特に手術後最初の24-48時間は、穏やかな生活を心がけ、リラックスして安静に過ごすことが望ましいです。
インプラント手術後、多少の出血は一般的ですが、これが数日以上続く場合は問題がある可能性があります。特に、出血が手術後数時間で止まらない、または一度止まった後に再び始まる場合は、注意が必要です。出血は手術部位の傷が十分に治っていない、またはそこに何らかの異常があることを示している場合があります。このような状況では、出血の原因を特定し、必要な治療を行うために、速やかにご来院ください。
手術後には一時的な痛みや腫れが見られることが普通です。しかし、これらの症状が数日以上続く、あるいは悪化する場合は、感染、神経損傷、インプラントの不適切な配置など、より深刻な問題の兆候である可能性があります。痛みが激しい、腫れが広がる、熱を伴う、あるいは痛み止めで症状が改善しない場合は、特に注意が必要です。これらの症状がある場合も速やかにご相談ください。
インプラント手術後には、発熱、寒気、慢性的な疲労感、食欲不振などの身体症状が現れることがあります。これらは手術による一般的な反応である可能性がありますが、感染症や他の合併症のサインであることもあります。特に、発熱が38度以上である、または数日以上続く場合は、感染の可能性が高く、即時の医療介入が必要です。また、これらの症状が日常生活に影響を及ぼすほど重い場合も、早急にご相談ください。
インプラント治療後のこれらの症状は、個人差があり、すべての人に共通するわけではありません。しかし、症状が長引く、悪化する、または普通ではないと感じる場合は、迷わずご相談ください。早期の対応が、合併症の予防や治療の成功につながります。また、これらの症状が現れた場合は、インプラントの手入れ方法や生活習慣の見直しも重要です。
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